2012年3月29日

塩山にて

さて、ワインカーブから外に出て、同じシャトー・ルミエールの、今度は別棟の醸造場に連れて行っていただきました。

ここのことは、同じワイナリーのことだし、本当は先日の「ワインカーブ」に追記しようかなと思ってたんですが、まぁそれもネタとしてもったいないので(笑)今日のブログに。



この写真の奥にちらっと見えるタンクで発酵したワインを樽に詰めるのだそうですが、今はシーズンではないので作業はやっていません。

手前の方にずらっと斜めに並んでいるのは、ワインのビンの底です。

ここのワイナリーではスパークリングワインも作っています。

そのスパークリングワインをビンに詰めた当初には、中にいろいろと沈殿しやすい成分が含まれているので、ビンを逆さにしてくるくる回しながらしばらく置くと、ビンの口のところに「澱」として出てくるそうです。

これを機械にかけて、ビンの口の所からとりだして、より沈殿物の少ないワインに仕上げるのだそうです。


この近辺のワイナリーもそうなのですが、ここシャトー・ルミエールもブドウ農場のある山の中腹にあるので、ここで作られたワインと美味しいお料理を楽しむことの出来る、展望のよいレストランを併設しています。

行ってみると、え、これが?というような和風の門構えに和風のお庭。



建物自体は新しく建てられた、木の質感を活かしたすてきな洋風。

入り口を入るとおしゃれで広めなワインショップになってます。

ホントは思わず2~3本買いたくなっちゃったんだけど、この後他に寄る予定もあったので断念。後日ネットで買おっと・・・

ワインショップの左手にガラスの扉があって、そこがレストランの入り口です。

中にはいると、奥側の大きな窓から外の和風のお庭と、その向こうの景色がよく見えます。
お庭には、このシャトーとレストランのシンボルでもある大きなけやきの木。

残念ながら先日途中から折れてしまったそうなんですが、樹齢900年くらいの直径数メートルありそうな大木の幹と数本の枝がそびえ立っています。

折れる前は相当大きな木だったんだろうなぁ・・・
右側の写真の窓の外に少しだけ映っています。

初めて行った上、食事はしなかったのでお料理の方はわからないのですが、ロケーションは抜群でした。ワインは別の時にいただいたので、味は保証付き(当てにならないかも・・・笑)です。

ぜひHPでご確認の上、塩山近辺にいらっしゃるときには寄ってみてください。
ワインはHP上でも購入できるようです。
http://www.lumiere.jp/


本当はこの日、こんな素敵なレストランでお食事もしたかったんですが・・・

ワイナリーは町の郊外にあって、仕事は町中で午前午後缶詰でしたので、この日のお昼は仕事場所のすぐそばでサクッとすませました。

といっても、なんとなく鄙びた感じの駅前でお店自体もどこに何があるかよくわからないので、仕事でお邪魔した先の方に連れて行っていただいたのが・・・

「何とかつぶれずにがんばっているお店で、応援しているんですよ~」というラーメン屋さん。
「小さな町で、食事に行くところもだいたいいつも決まっちゃっててね~」


店構えは、どこの町にもありそうな昭和レトロな感じ。

で、お店の中に入ってみると・・・これまた懐かし系の「ヤカンが乗った円形石油ストーブ」の向こうに、なぜか、おこた!

そしてお客さんがおこたに入ってラーメンをすすっている・・・www


さすがにお店の一角におこたのある風景は見たことがなかったので、お店の人に断って一枚撮らせていただきました・・・慌てたので、ちょっとぼけちゃった(^◇^;)


本日のオススメのラーメンは?ときくと「今日は五目がよく出てるかな~」と優しそうなお店のおばちゃんが言うので、頼んでみました。

真ん中の写真がその五目ラーメンです。地元の人達が行きつけているだけあって、このままでも野菜のダシと塩味がきいていて美味しいです。

ところが、半分ほど食べ進んだところでまわりを見ると、何人かの人が汁が赤くなるほどにラー油をかけている・・・?! 

・・・私もやってみました。ラー油の辛みをきかせると、それはそれで汁の塩味とマッチしてなかなか美味しかったです。

ただし、入れすぎると喉が痛くなるけど(笑)

塩山の駅から5分くらいの商店街の中にある「日之出屋」さん。がんばってほしいものです☆



連れて行っていただいた方と一緒に、午後の仕事に戻るためにラーメン屋さんから帰る途中、古くからある周辺の商店街や路地をくるりと回ってもらいました。

この街中自体は「観光地」というわけでもないし、田舎の車社会ではむしろ郊外の新しくできた幹線道路沿いの方に人の流れが移ってしまって寂れる方向にある「昔は栄えていた駅周辺」なので、なかなか地元以外の人に宣伝されることもないのですが、古くからの町でもあるので、実はぽつりぽつりと面白い所があったりします。


 


たとえば左側の写真は、現在でも「憩いの家」として使われている昔の学校の校舎だということです。

右側は昭和の時代から続いている映画館。いまでも上映している、ということにびっくり!

ついでに先日商店街で起きた火事の跡まで案内して貰っちゃいました・・・(笑)


塩山の駅前には、実は「甘草屋敷」という昔(江戸時代くらい?)の由緒正しきお屋敷が整備されて開放されていたり、また有名なレストラン等で修行してきたシェフが開業したというおしゃれでリーズナブルなフレンチレストランなんかもあるんだそうです。

やっぱり、地元のいいところは地元の人に聞かないとわからないなぁ・・・
聞いてしまうと・・・今回行けなかったことがくやしくて(?)また来て制覇してやろう☆なんておもってしまうところがミソ?

観光、というかインバウンドというか、なんとなく漠然とヒントになりそうな塩山の街中そぞろ歩きでした(^^)v



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2012年3月27日

ワインカーブ


これまで仕事で甲州ワインのEU輸出プロモーションに関わっていたのですが、今年のプロモーションもなんとか無事(?)終わって、その後の事務手続き関係で、中央線のあずさ号に乗って塩山というところに行きました。


塩山は東京から行くと、八王子からの山を抜けて甲府盆地に入ったところにあります。

現在の山梨県のあたり一帯を古くは甲斐国、別名甲州といい、桃など果物が美味しいことでも知られていますが、特にこの駅のある旧塩山市と旧勝沼町、旧大和村が合併してできた甲州市というところは葡萄の産地としても有名です。

以前から、この甲州一帯が日本でも有数のワイン産地でもあることから、甲州で作られたワインは何でも「甲州ワイン」ととらえられがちなのですが、私が関わっていたのは、その中でも特に日本それも山梨県固有の葡萄の種類「甲州種」で作られた「甲州ワイン」です。

この「甲州ワイン」については、語り出すと長くなるので、またの機会に・・・(笑)



さてこの日、仕事が思いの外早くに終わったので、思いがけず近くのワイナリーにお邪魔して「ワインカーブ」を見せていただけることになりました。

ワインカーブというのはワインを貯蔵したり熟成させたりする蔵のことです。


ワインの保管・熟成には平均気温10~16度、湿度65%以上がよいといわれていて、特に地下では温度や湿度を一定に保ちやすいということもあって、古くからレンガでつくった地下蔵が用いられていることが多いようなのですが、台形のレンガをカーブ状に積んで天井の強度を増し、柱の本数を少なくしながら広い空間を作り出すような工夫がされていたことから、「カーブ Curve」と呼ばれるようになったそうです。

お邪魔したワイナリー、シャトー・ルミエールには、天井は「カーブ」ではないのですがすばらしい地下蔵があります。

というのもこのシャトー・ルミエール、甲州でのワイン作りの草創期である明治18年の創業で、日本初のヨーロッパ形式の地下発酵槽を醸造所内につくったんだそうです。


写真は、その由緒正しき地下発酵槽です。文化財に指定されています。

もともとそれまでは、ワインは木の桶で作られていて、それを馬車に積んで東京へ運んでいたそうなのですが、この地方へも鉄道が開通し、ワインの大量輸送が可能になったことから、以前からヨーロッパで行われていた地下発酵槽による醸造を始めたんだということです。

この地下発酵槽、全部で10槽あるんだそうですが、現在では技術伝承のためにそのうちの1槽だけ使っているそうです。

槽の壁に蔵つきの酵母がいたりするので、ステンレスの槽などで発酵させるのとは、また違った味わいになるそうです。

そして、この地下発酵槽のさらに下に「ワインカーブ」地下蔵があります。

階段を下りていくと・・・ おぉ~!




す、すごい!樽が並んでる~☆

こういうのを見ると、ついついテンションが上がっちゃいますね(^^;)

ここはもともと上の地下発酵槽でできあがったワインを樽に詰める作業場だったそうです。
左の写真の左の壁の下の方に穴が開いていて、壁の中の管を上から流れてきたワインが穴から壁の下の溝に出てくる仕組みなんだそうです。

今でも、使われている1槽だけは、その時期には穴からワインが出てくるそうです。

今は別棟の醸造場で樽に詰められたワインを保管しているそうですが、こういう風景を見ると、ますますワインを飲みたくなっちゃいますよね。


私は、甲州ワインの仕事からはこれで当面離れてしまうのですが、離れても甲州のワインのファンになってしまいそうな見学でした。



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2012年3月24日

龍ちゃんのこと

今日は降ってるんだか降ってないんだかわからないような細かい雨がしとしと・・・




きっとこんな雨のことを「小糠雨」っていうんだろうなぁ、と考えながら山から町に向かって車を走らせていくと、日頃目の中に入ってくるまわりの山に、いつもこんな日には涌いてくる細長~い雲がしっかりかかっています。


おっ、今日も龍ちゃん達がでてるなー!



細長い雲が山腹あたりに横向きにかかっている様は、まるで雲の龍が横たわっている姿さながら。


だから、うちではこんな雲のことをいつのころからか「龍ちゃん」と呼ぶようになりました。


龍ちゃん達は、たいてい川の本流の水が深くなる淵のあたりや、本流に流れ込む支流の谷筋から涌き出てきます。

最初はちいちゃくて細い「龍ちゃん」たちが川から出てきて、山に何匹も駆け上りながらだんだん大きな「龍サマ」を形成して山に横たわることもあるし、最初から大きな「龍サマ」が川から谷筋を上っていくこともあります。

遠くから見るとちゃんと雲の形が判るので、あ、今日はちび龍ちゃん達が行進してるね~、とか、今日は龍サマがいっぱい横たわってるねー、といった話題になります。


私たちが日頃町へ向かうのに使っている道はたいてい川筋に沿っているので、川から上った龍ちゃんたちが山に登る途中で道を横切っているのに遭遇することもあります。

大きな「龍サマ」だと、近くでは形がよく判らないので、最初は道の向こうの方に「靄」や「霧」が見えます。

あ、あそこから霧がかかってるね、と思いながら霧の中に突入・・・と、ものの10数メートル~2・30メートルくらいですぽん!と抜けてしまうのです。

引っ越した最初の頃はこれに遭遇すると、何なんだ今のは?と思ったものでしたが、すっかり慣れてしまった今では、あぁ今のは龍ちゃんのお腹に突っ込んだんだね、といって笑ってます(^^)

ちび龍ちゃんだと、それこそ道路の一部分だけもやっとしてて、何の煙だこれ?って感じです。

本当は写真でお見せできるといいんですが・・・

川の淵を境に天気が変わったりすることも往々にしてあるので、その場所を「結界」なんて呼んだりも(笑)

町場に暮らしていると、ビルや家々に遮られてしまうせいか、日頃こんなことを見たり感じたりすることはほとんどないのですが、田舎に暮らしているとイヤでも(笑)地形と気候の関連を体感してしまいます。

きっと昔の人々の龍神信仰もこうした「体感」から生まれてきたんでしょうね。
いつの間にか自分もどっぷり「龍ちゃん」や「龍サマ」、「結界」に自然となじんでいることに、びっくりです☆



2012年3月21日

我が家のお彼岸


昨日の20日はお彼岸の中日でした。

我が家では春と秋のお彼岸には、一応先祖代々のお墓がある菩提寺があるので、家族でお墓参りに出かけて、彼岸法要に出席します。

今年もお花やお線香を持って家族で出かけました。

お寺では妹一家と合流し、方丈さんに挨拶して本堂での法要に出たあと、卒塔婆を持ってお墓参り。

「だんご3兄弟」な甥っ子たちが、墓石を雑巾でぬぐったり、ぼちぼち生えかけた草をむしって箒かけをしたり・・・とお墓の掃除を手伝ってくれました。

で、さっぱりしたお墓にお米やお花、お線香をお供えして、みんなそろってご先祖さまにお参りです。



春秋のお彼岸、夏のお盆や暮れと正月。

ご先祖さまを中心に田舎や故郷に一族家族で集まって先祖をお祀りしたり、再会や無事を確かめ合ったり・・・日本ならではのいい風習ですよね。

うちのお墓は私が引き継いでいくわけなので、できる限りこの風習を引き継いでいきたいな、と思ってます。

まぁ、一族ぞろぞろ集まるのは、迎える方としては準備やらなにやら、毎年毎回結構大変ではあるんですけどね~(笑)

それにしても、今年のお彼岸のお墓参りはぽかぽか陽気のいいお天気でした。

例年だとこの時期お天気が定まらなくて雨や曇りになることも多いんですけど。

でも、写真にもあるとおり今年は花が遅いです。
鐘撞き堂の右側の大木は桜なのですが、桜はおろか梅ですらやっと7分咲きくらいで、ちょっと寂しめでした。



さて、家に帰ってから、これまたお彼岸ならではの風物詩・・・
ぼたもち製作です!

といっても、かなり手抜きで作り方は超カンタン!

まず、地元に業務用のあんこを一般にも小売りしてくれる、甘さ控えめのすごく美味しいあんこ屋さんがあるので、そこで粒あんとこしあんをそれぞれ量り売りで買ってきます。

餅米を炊飯器で炊いてくるくるまるめて、あんこを上にかぶせてできあがり☆

写真の通り、大量に作ってしまったので、次の日の朝ご飯までぼたもちでした・・・(^^;)

でも、同じものでも春は牡丹の花の時期で「ぼたもち」、秋は萩の花で「おはぎ」。

これまた日本ならでは・・・って感じですよね。
簡単だし、続けていきたいなぁって思える風習です。

・・・うん、我ながら美味しかったー!v(○^~^○)v


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2012年3月17日

湯島の天神さま辺り

なんか、しばらく公私ともに(?)ばたばたしていてブログ書かないでいたら、もう10日近くUPしてませんでしたね~

書きたいことは結構あったんですけど・・・またそれは追々に、機会があれば(^^;)




さて、昨日の午前中、たまたま湯島方面に仕事で行く用事ができました。

湯島、というのは上野の不忍池のちょっと南側あたりにある古くからの町屋で、江戸幕府の昌平坂学問所があった湯島聖堂とか、旧岩崎弥太郎邸の庭園などの名所旧跡があります。

先日天皇陛下が入院された東大病院もすぐそばです。



せっかくたまの遠出(?)なんだし、しかも直行仕事。

ただ行くだけではもったいない(笑)ので、ちょっと家を早めに出て用務先のすぐそばにある湯島天神にお参りすることにしました。


湯島の天神さまは、正式には「湯島天満宮」という名称らしいです。

社伝によれば雄略天皇の458年に天之手力雄命(あまのたぢからをのみこと)を祭ったのが初めみたいですが、南北朝時代に学問の神様、菅原道真を合わせてお祭りして、今日に至っているようです。

菅原道真といえば「東風吹かば 匂いをこせよ 梅の花 主なしとて 春な忘れそ」の歌で知られるとおり、シンボルは梅。

門から中をのぞいてみたら、写真のとおり、ちょうど梅が真っ盛りで庭じゅうにいっぱい咲き誇っているのが垣間見えました。


門から中に一歩足を踏み入れてみると・・・
庭園内は梅でいっぱい!

そして、平日なのにどういうわけか人でいっぱい・・・



なんでも、平年なら3月半ばの今頃の時期にはとっくに梅の花は終わっちゃってるそうなんですが、今年は寒さが遅くまで続いたせいか梅の開花が相当遅れて、今満開なんだそうです。

だから、平年並みに2月後半に開催された天神さまの「梅まつり」には、今年は全く梅の花がなかったんだそうな・・・

人の出が多いのはそんなところにも理由があるのかな?
出勤前にここで一息ついている人たちも結構いるような感じでした。


 


あ、もちろん学問の神様ですし、ピークは過ぎたといってもまだ受験シーズンなので、合格祈願もかねて訪れてる人も多いんでしょうね。

絵馬もどっさりかかっていました。。。



私も境内の写真を撮って、縁台に腰掛けて甘酒を飲みながらひなたぼっこしていたら・・・
なんだかゆったりまったりしすぎちゃって、いったい何しに来たんだろう~って感じ。

すっかり仕事する気なんかどこかに行っちゃって・・・

いかんいかん! 頭をプルプル振って気を取り直し、仕事先へ。



午前中一杯で仕事を終わらせて、さぁ、お昼ご飯!

実は湯島界隈は、古くからの街でもあり、また観光客も多いので、老舗の美味しいお店がたくさんあることでも知られているのです。



今回は、仕事先のすぐそばにある「鳥つね」というお店に行くことにしました。

「鳥つね」は湯島の天神さまの表鳥居を出てすぐ左手角にある、大正元年創業の鳥料理の老舗です。

夜のメニューは鍋とか揚げ物とか、各種いろいろあるようなのですが、ランチは親子丼の単品1500円と親子丼セット2500円のメニューしかありません・・・!

つまり、親子丼しかないし、親子丼にしては結構値段が高いんだけど(いつも食べる「親子丼」の2~3倍ですよね!)、それでもいつも行列のお店なんです。

お店自体はそんなに大きくなくて、小さなお座敷1つにちゃぶ台テーブルが8~10くらい?

町屋によくある普通のお食事処といった感じです。混んでくると相席なんかもアリです。

待つことしばし・・・出てきた親子丼は、

じゃーん!




卵がとろんとろん、のぷるんぷるん。
お出汁の味もしっかりきいていて、ご飯にもしっかり染みていて、美味しーい!

そして、さすが「鳥料理の老舗」というだけあって、薄切りでありながら鶏肉の存在感ある口当たりにびっくりです。

うまうまー、うまうまー! と、あっという間に平らげてしまいました。

これは、やっぱり夜のメニューを試してみたくなりますね。
なんとか機会を作って食べに来ようっと☆


お腹も一杯になったので、また天神様の境内に入り、今度は社殿の右手の男坂・女坂を降りて、JR湯島駅方面に出て職場に戻りました。



写真は真ん中が男坂、右が女坂です。これまた、梅が満開でキレイ。。。

お天気も気持ちよくて、美味しいものもしっかりいただいて・・・ホントこれで仕事でさえなければなぁ・・・

もっとまったりしたい気持ちに後ろ髪をぐいぐい引っ張られつつ、この日も残業たっぷりつきの仕事に戻るために、この後職場に戻ったワタシでこざいました・・・ふう!


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2012年3月8日

輪島のいいもの

さて、人生、初輪島(笑)。


輪島ならではの「オール輪島塗の会議室」に感動した会議の後は、飛行機が1日2便しかなくて一泊せざるを得ないので、輪島唯一(?)のビジネスホテル「ルートイン」へ。

このホテルは「輪島マリンタウン」という海浜公園の端にあって、部屋の窓からは目の前に日本海と海沿いの集落の明かりをのぞむことが出来ます。

有名な「輪島の朝市」からもほど近くて、輪島観光の拠点になっているホテルのようです。




2日目の朝、朝食をとってから出発の集合時間までの短い時間に、ちょこっとだけその朝市を見に行ってみました。



朝市のある通り周辺は観光スポットになっているらしく、「朝市通り」という名前ですっかり町並みが整備されています。

TVとかで見るような「ひなびた漁村&素朴な行商のおばちゃんたちの屋台」のイメージとはちょっと違う感じかな?

で、「朝市」だからうんと早い時間からやっているのかな、と思ったら(だから寝坊してあわてて飛んでいったんですけど・・・)、8時くらいでまだ屋台がほとんど開いてない・・・(゜ロ゜屮)屮

聞くと、どうも屋台のおばちゃんたちの高齢化で冬に朝早くから出てくるのが辛くなってきちゃってるとか・・・?

この町並みを見ていると、私にはどうも単に観光客の来やすい時間に合わせているだけのようにも思えるんですけどね。




真偽のほどはともかくとしてつらつら通りを歩いていると、この通りはやはり観光客が多いのか、屋台の後ろに並ぶ商店は輪島らしく「輪島塗」のお店が多くて、その間に和菓子のお店やおみやげ品のお店が並んでいる感じです。


その商店の前の路上に朝市の屋台が並ぶのですが、もちろん圧倒的に海産物が多そうですけど、その間にやはり輪島塗のお箸とかストラップとかの屋台も並んでいる感じ。


そんな屋台をのぞいていたら、商売上手なおばちゃんにしっかりカニを売りつけられそうに。


輪島は、美味しいカニで有名です。

だから、一瞬買おうかな・・・と思ったんですが、その日も1日スケジュールが詰まっていて、午後の便で東京に帰るのにそれまでずっと持って歩くのもジャマだし恥ずかしいな、と思ったので、買ったり選んだりしてる時間がないから、と(実際なかったし)集合場所に逃げてしまいました・・・(^◇^;)

で、その話を今回の旅でずっとお世話になっている塗師屋の親方さんに話したら、「それは、うっかり買わなくて正解だよ!」


私たちは、輪島漁港のすぐそばで地元のおばちゃんたちが品物を持ち寄って屋台で売っている「朝市」なら、漁港で朝採れとれの新鮮な魚介類を売っているんだろうな・・・と思ってしまいがちなんですが(そして、干物なんかは実際、地元のものが多いようなんですが)、ここで売っているカニは地元産ばかりではなくて、どうもロシア産のものも結構あるということのようなんです。

ロシア産の場合、「採れとれ」どころか冷凍して空輸されてきたものになるので、採れてから3~4日たっていて身が細っちゃってるので「食べるとこなんかないよ!」

なんでも「カニ」というのは捕まえると餌を食べなくなってしまうので、どんどん痩せて肉が細くなってしまうんだそうで、そんな「カニ」を地元では「おつゆのカニ」(お味噌汁の出汁にするカニという意味)と呼ぶんだそうです。

だから、本当に地元漁港で採れとれの魚介類を買いたいなら、そういうものを売っている店を地元の人に聞いて行かなきゃだめ、ということです。

でも、そんなこと言われてもフツーの旅行者にはわからないし、難しいよなぁ・・・




その、「輪島で採れた、輪島ならではの魚介類」。


その前の日の夕食、その親方に「同級生がやっている居酒屋さん」に連れて行ってもらいました。

「居酒屋 梅の家」。ここにも「かに」と書いた幟が・・・(笑)




玄関を入ると、いきなり輪島らしく漆塗りの家紋もいかめしい頑丈な板戸のある土蔵風の出入り口が・・・

いや、本当の土蔵を活かして建物が造られているみたいなんです。

入ると中はつやつやの板の間に、太い梁。部屋の隅にはこれまた輪島らしく、美しい漆塗りの衝立と祭り提灯。

親方いわく、お祭りの時には塗師屋のお弟子さんたちはこの提灯を担いで町中を練り歩くんですが、相当重いのでかなりの重労働だったんだとか・・・



さて、輪島ならではの美味しいもののご紹介を、親方にお願いしました。


やっぱり、冬の日本海・・・といえば新鮮な魚介類!っていうのが、首都圏にいる私たちのイメージですよね。

出てきたものも、イメージどおりに魚介類メイン。

まずは、お刺身の盛り合わせ!寒ぶりや甘エビ、鯖のお刺身!

普通私たちは、鯖は酢でシメるものと思ってるんですが(北陸の方は押し寿司が有名だし)、本当に新鮮な鯖はシメないで普通のお刺身にして食べると美味しいんだそうです。

甘エビは普通のエビみたく大きくて、ぷりっぷり♪
こんな大きな甘エビは、うちの近所のスーパーでは絶対にお目にかかれません~(笑)




お箸で挟んでいるのは、岩海苔です!

一見どこにでもある、韓国海苔に似た海苔だなー、と思ってつまむと、普通の板海苔の3~5倍くらい厚さがあって、しかもぱりっぱり。

口に入れると、普通の海苔よりも海苔の香りがふわぁ~っと広がります。

思わずおみやげに買って帰りたくなって、どこで売っているのか聞いたら、朝市とかおみやげ屋さんのようなところでは売ってないんだそうです。

というのも、岩海苔というのは文字通り岩に張り付いている海苔で、海の中の厳しい岩場に生えているのを、輪島のおばちゃん達が波にさらわれそうになりながら一つ一つ採るので、波が荒れてしまうと収穫ができない上、海苔自体もそれほど大きくなる種類じゃないので、なかなか量を採れないのだそうです。

その上、夏場は海苔の生育時期なので、採るのは冬場だけ。

だから、地元の人が使うお総菜屋さんのようなところでしか売ってないんだということです。

確かに後日お取り寄せができないかとwebで調べてみたのですが、あるにはあったんですが「完全予約制・入荷があれば予約の順に発送」。

うわー!貴重な物をいただいちゃったんだ・・・
まさに、地元ならではの食材ですね☆


次に出てきたこの魚も見たことがありません。


親方に地元での呼び方を聞いたんですが(親方も正式名称は知らなかったので)、ごめんなさい、忘れちゃいましたσ(^◇^;)。

でも深海魚なんだそうです。
あまり採れないので、やなり地元でしか出回らないんだとか・・・

身は、白身。普通のお魚と同じく身をほぐして食べるのですが、親方によるとキモも(が?)美味しいとのこと。

さっそく食べてみると・・・とろ~ん! 

とろけて、じゅわーっと海の香り(?)キモの甘みが口に広がって、美味しいー!!!

キモを味わったら、今度は焼きたてで身離れがいいところをほじほじ。

これまた香ばしく淡泊な感じで、オイシーイ♪

頭と骨と皮だけを残して、すっかりキレイに食べてしまいました。

・・・と親方がお店の人に「お椀にお湯盛ってきて」。

なんだろう?と思ったら、そのお椀に残った頭や骨を入れてお出汁にして「おつゆにすると美味いんだよ~!」

ホントは骨酒にしても美味しいんだけど・・・とのこと。
どっちかっていうと内心、骨酒の方がよかったんだけどなー(^◇^;)なんて思いつつ・・・しっかり骨の髄までいただいちゃいました☆


親方が、「カレイの王様を食べさせてやるよ」

出てきたのは、アカガレイ。

カレイって、普通はもう少し大きいのを煮付けにするイメージなのですが、これは結構小さめのを塩焼きにして出してくれました。

親方曰く「これを食べちゃったら、もう他のカレイは食べられないよ~!」

 食べ方は「お箸は使わず、両手で身を持って左右に引っ張る」

・・・と、熱々で身離れがいいせいもあって、するっっっt! とキレイに骨から身がはずれます。

で、そのままお口へ。

魚自身の質の良い油で、皮までぱりっぱりに香ばしくて・・・

ん~ うまうまー!(○^~^○)

手についた油や塩味まで、きれいにぺろぺろなめちゃいました(^^:)


まだまだ寒い日本海側の夜。
日本酒の熱燗をちびちびいただきながら、海の幸の醍醐味を堪能してしまった輪島の夜でした。


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