これまで仕事で甲州ワインのEU輸出プロモーションに関わっていたのですが、今年のプロモーションもなんとか無事(?)終わって、その後の事務手続き関係で、中央線のあずさ号に乗って塩山というところに行きました。
塩山は東京から行くと、八王子からの山を抜けて甲府盆地に入ったところにあります。
現在の山梨県のあたり一帯を古くは甲斐国、別名甲州といい、桃など果物が美味しいことでも知られていますが、特にこの駅のある旧塩山市と旧勝沼町、旧大和村が合併してできた甲州市というところは葡萄の産地としても有名です。
以前から、この甲州一帯が日本でも有数のワイン産地でもあることから、甲州で作られたワインは何でも「甲州ワイン」ととらえられがちなのですが、私が関わっていたのは、その中でも特に日本それも山梨県固有の葡萄の種類「甲州種」で作られた「甲州ワイン」です。
この「甲州ワイン」については、語り出すと長くなるので、またの機会に・・・(笑)
さてこの日、仕事が思いの外早くに終わったので、思いがけず近くのワイナリーにお邪魔して「ワインカーブ」を見せていただけることになりました。
ワインカーブというのはワインを貯蔵したり熟成させたりする蔵のことです。
ワインの保管・熟成には平均気温10~16度、湿度65%以上がよいといわれていて、特に地下では温度や湿度を一定に保ちやすいということもあって、古くからレンガでつくった地下蔵が用いられていることが多いようなのですが、台形のレンガをカーブ状に積んで天井の強度を増し、柱の本数を少なくしながら広い空間を作り出すような工夫がされていたことから、「カーブ Curve」と呼ばれるようになったそうです。
お邪魔したワイナリー、シャトー・ルミエールには、天井は「カーブ」ではないのですがすばらしい地下蔵があります。
というのもこのシャトー・ルミエール、甲州でのワイン作りの草創期である明治18年の創業で、日本初のヨーロッパ形式の地下発酵槽を醸造所内につくったんだそうです。
写真は、その由緒正しき地下発酵槽です。文化財に指定されています。
もともとそれまでは、ワインは木の桶で作られていて、それを馬車に積んで東京へ運んでいたそうなのですが、この地方へも鉄道が開通し、ワインの大量輸送が可能になったことから、以前からヨーロッパで行われていた地下発酵槽による醸造を始めたんだということです。
この地下発酵槽、全部で10槽あるんだそうですが、現在では技術伝承のためにそのうちの1槽だけ使っているそうです。
槽の壁に蔵つきの酵母がいたりするので、ステンレスの槽などで発酵させるのとは、また違った味わいになるそうです。
そして、この地下発酵槽のさらに下に「ワインカーブ」地下蔵があります。
階段を下りていくと・・・ おぉ~!
す、すごい!樽が並んでる~☆
こういうのを見ると、ついついテンションが上がっちゃいますね(^^;)
ここはもともと上の地下発酵槽でできあがったワインを樽に詰める作業場だったそうです。
左の写真の左の壁の下の方に穴が開いていて、壁の中の管を上から流れてきたワインが穴から壁の下の溝に出てくる仕組みなんだそうです。
今でも、使われている1槽だけは、その時期には穴からワインが出てくるそうです。
今は別棟の醸造場で樽に詰められたワインを保管しているそうですが、こういう風景を見ると、ますますワインを飲みたくなっちゃいますよね。
私は、甲州ワインの仕事からはこれで当面離れてしまうのですが、離れても甲州のワインのファンになってしまいそうな見学でした。
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