きっとこんな雨のことを「小糠雨」っていうんだろうなぁ、と考えながら山から町に向かって車を走らせていくと、日頃目の中に入ってくるまわりの山に、いつもこんな日には涌いてくる細長~い雲がしっかりかかっています。
細長い雲が山腹あたりに横向きにかかっている様は、まるで雲の龍が横たわっている姿さながら。
だから、うちではこんな雲のことをいつのころからか「龍ちゃん」と呼ぶようになりました。
龍ちゃん達は、たいてい川の本流の水が深くなる淵のあたりや、本流に流れ込む支流の谷筋から涌き出てきます。
最初はちいちゃくて細い「龍ちゃん」たちが川から出てきて、山に何匹も駆け上りながらだんだん大きな「龍サマ」を形成して山に横たわることもあるし、最初から大きな「龍サマ」が川から谷筋を上っていくこともあります。
遠くから見るとちゃんと雲の形が判るので、あ、今日はちび龍ちゃん達が行進してるね~、とか、今日は龍サマがいっぱい横たわってるねー、といった話題になります。
私たちが日頃町へ向かうのに使っている道はたいてい川筋に沿っているので、川から上った龍ちゃんたちが山に登る途中で道を横切っているのに遭遇することもあります。
大きな「龍サマ」だと、近くでは形がよく判らないので、最初は道の向こうの方に「靄」や「霧」が見えます。
あ、あそこから霧がかかってるね、と思いながら霧の中に突入・・・と、ものの10数メートル~2・30メートルくらいですぽん!と抜けてしまうのです。
引っ越した最初の頃はこれに遭遇すると、何なんだ今のは?と思ったものでしたが、すっかり慣れてしまった今では、あぁ今のは龍ちゃんのお腹に突っ込んだんだね、といって笑ってます(^^)
ちび龍ちゃんだと、それこそ道路の一部分だけもやっとしてて、何の煙だこれ?って感じです。
本当は写真でお見せできるといいんですが・・・
川の淵を境に天気が変わったりすることも往々にしてあるので、その場所を「結界」なんて呼んだりも(笑)
町場に暮らしていると、ビルや家々に遮られてしまうせいか、日頃こんなことを見たり感じたりすることはほとんどないのですが、田舎に暮らしているとイヤでも(笑)地形と気候の関連を体感してしまいます。
きっと昔の人々の龍神信仰もこうした「体感」から生まれてきたんでしょうね。
いつの間にか自分もどっぷり「龍ちゃん」や「龍サマ」、「結界」に自然となじんでいることに、びっくりです☆