秋頃から、仕事で盆栽を海外展開するプロジェクトのお手伝いをしています。
盆栽自体の輸出はもう50年も前から行われていて、海外、特にEUでは日本の文化の一つの象徴としてもとらえられているし、アートとして楽しむことも定着されてきていて、若い人も盆栽に取り組むようになってきていて、ブームが起こっているようです。
ところが・・・
本家本元の日本では「盆栽=お年寄りのシュミ」みたいなイメージが強くて、盆栽人口は激減の一途。
盆栽園や生産事業者では高齢化&後継者難もあって、せっかくマーケットが海外に広がりつつあるのに、このインターネットの発達してきている時代に対応しきれずにPRも対応も不足がち。
それに病害虫の発生による検疫の強化もあって、輸出自体も困難になってきているということも追い打ち状態で、このままじゃ日本の盆栽は海外にとって変わられちゃうんじゃないの〜?という危機感が盆栽界に出てきているようです。
一方で、そうはいいながらも、やっぱり本家本元の日本の盆栽はやっぱり歴史的ステータスも高く、品質も高い。
日本から海外に出て行く盆栽が減ったきた分、海外での生産・加工・維持技術は格段にあがってはいても、メイドインジャパンのブランド力は以前強いみたいです。
なんて話を、今年は盆栽の市場調査に関わりながら耳に入れていたところ・・・なんですが、来年からいよいよ本格的にプロモーションを始めなくちゃというところで、実は私自身、盆栽ってよくわかってないんですよね。
うちの場合、じいちゃんが若い頃から盆栽にハマっていて、日本盆栽界の最高峰「大宮盆栽村」に盆栽を習いに行ったことがあるというのを自慢にしているくらいだったので、私が物心ついたときには家の中は盆栽だらけで、他の人よりは盆栽に触れてはいたんだと思うけど。
でも、そんな私にとってさえ盆栽は「お年寄りの趣味」。
おしゃれさとか手軽さとか感じられないし、その良さってどうもよく理解できないんですよね〜☆
まして、なんで日本人の理解できない良さを、海外の人がそんなに「そのまま」受け入れているのかよくわからない・・・!
なーんてぶつぶつ言っていたら、この仕事でお知り合いになった盆栽の輸出業者の方に「それなら実際に自分の目で確かめてごらんなさい!」と言って誘っていただいたのが、今回の表題の「Spanish Night」。
盆栽の世界でもいろいろな展示会が開催されているようなのですが、その中でも最高峰と言われているのが日本盆栽協会主催の「国風盆栽展」。
昭和9年に始まり、途中戦争のため中断されることもあったものの、今回で86回を数えるという、由緒正しき展示会です。また、国内で最高のレベルと格調の高い盆栽展ということで、宮内庁の盆栽も出展されるし、前回は皇太子殿下もお出でになったんだそうです。
そんな国風展ですから、もともと開催時には国内外のあらゆるところから盆栽関係者が集まってくるのですが、今回は特にこの輸入業者の方と取引関係にあるスペインの盆栽アーティストやコレクターが来日するというので、開催の前夜にこの輸入業者の方と関係のある盆栽関係者を一堂に集めて、私的な「前夜祭」を開催するのだということなんです。
で、国風展開催前日・・・
この日は、昼間にうちのボスのかばん持ち随行で埼玉県の深谷というところの盆栽園を回ったあと、ご案内いただいた都内某所に行ってみると。
・・・その某所は、「Spanish Night」のはずなのに「Hawaiian Bar」でした~!(笑)
結構狭めのBARなんですけど、フロアから椅子やテーブルを全部取り払ってしまって、参加者ぎゅうぎゅう詰めで密着状態の飲み放題食べ放題立食パーティー。
マスターは、実はプロのハワイアンシンガーで、パーティーの合間に演奏もしてくれました。
この写真がそうなんですが、ブレブレになっちゃってうまく撮れませんでした。
ゴメンナサイ・・・(^^;)
で、参加者はそのスペインの方々はもちろん、日本各地の盆栽作家や盆栽園の方々。そしてそこで修行していた方々や今修行しているお弟子さんも来ていましたが、それがアメリカやドイツやイタリアの方々だったり・・・
で、みんな若くてイケメンだったりするんですよぉ~(*^^*)
写真は、これまたブレブレでゴメンナサイなんですけど、左はドイツ人の方で、日本で6年修行されたそうです。
右側はスペインの盆栽コレクターの方。今回初めて来日のようです。
それにしても、日本人が「老人の趣味」と思っている盆栽の何が、こんな若くてイケメンな海外の方達のココロをとらえているのかしら?
で、四苦八苦しながら、または盆栽好きなスペイン語の通訳の方々を介してそれらの方々に聞いてみて何となくわかったこと。
みなさん、小さい頃から親に連れられたりして盆栽に触れているんですね。
そして、盆栽の見方や良さを教わっていること。盆栽の中には「自然」が凝縮されているので、見方が解ると感覚的に共感できる・・・らしいのです。
そして、今度は自分でも作ってみて、その奥深さに惹かれていく・・・みたい。
翻って、日本ではどうなんだろう?
日本の伝統文化「盆栽」。
でも、住環境は急速に欧米化し、特に都会では庭の狭い家やマンション住まいが多くなって、盆栽を置いている家というのはなかなかなくなっていますよね。
盆栽に触れる機会は大人でも少なくなっていますし、「ご老人の趣味」的なイメージが浸透してしまって、カッコイイとも素敵とも感じられる機会がなくなっているんじゃないのかな。
先日、NHKのクローズアップ現代でもやっていましたけど、欧米ではキッズスクールもあったりして、若者向けにPRも教育もされているようで、そんなことが今、欧米で若者を中心にブームが起こっているということに功を奏しているのかな、という気がしました。
日本では、失速していると言われる伝統文化の方面でも、学校や地域に華道や茶道のサークルがあったりしますよね。柔道や剣道、空手の道場やスクールもあるし。
でも、盆栽は見当たらない気がするなぁ・・・
盆栽を単純に海外で販売拡大・促進するためのプロモーション活動もだけど、先細りの日本国内での「盆栽」、具体的に何ができそうなのか、若者へのPRについて教育システムという面も含めて考えてみようかな、と考えさせられたパーティーでした(^^)v
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