先だって、天皇陛下が狭心症ということで心臓のバイパス手術を受けられましたが・・・
ちょうど同じ頃、うちのじいちゃんも検査の結果、狭心症との診断を受けました。
で、やはりバイパス手術を勧められたのですが、天皇陛下と1歳しか違わないにもかかわらず、「この年になってこれ以上身体を切り刻まれるのはイヤだ!」と言い張り(まぁ、癌で一度大手術をしてることもあり・・・)、ステントを入れて血流を確保して様子をみることになりました。
ステントというのは金属でできた網目の筒状のもので、カテーテルを使って冠動脈に入れて、中から血管を広げるのです。
じいちゃんはこの手術をするので、地元に近い日高市にある埼玉医大国際医療センターにしばらく入院することになったわけですが、この埼玉医大国際医療センターというのは、包括的がんセンター、心臓病センタ-、脳卒中センター、小児救急センターからなる、高度専門特殊医療に特化した病院なんです。
なので一般病院から紹介されてきたり、救急搬送されてきたりといった患者さんばかりで、しかもいずれも高度な医療を必要とする、つまり病状が重かったり深刻だったりといった人たちばかりです。
入院が長引く人たちも結構いるからなんでしょうか、病人やその家族が必要以上に病気を意識しないよう、病院らしくなくゆったりとくつろげるような雰囲気につくってある病院です。
たとえば、この病院のロビーは2階まで吹き抜けで、自然光をいっぱいに取り込んだ明るくて大きな空間をとっています。
また、このロビーを見下ろす形でスタバがあります。
入院患者や家族がここで面会したり、お見舞いに来た人がここで一息入れたり、と憩いの場になっています。外来患者も、受付を済ませると無線機を渡されるので、診察の呼び出しがあるまでここや館内のコンビニ、売店等へ自由に行くことができます。
もともと患者数もそう多くはないし、総予約制ということもあるので、患者でごった返すという雰囲気はありませんし、入るとすぐにコンシェルジュがいて、親切にいろいろ案内をしてくれるので、診察に関して余計な心配や手間がかかりません。
高度医療なので、治療内容がわからなかったり不安だったりもするのですが、この病院はインフォームドコンセントや家族からの相談に対応する体制がしっかりしていて(むしろ勧めてくれたりする)、うちもじいちゃんばあちゃんが何回か入院していますが、その都度、退院や転院後のことも含めて相談にのってもらったりしています。
何より、この病院は高度治療しかしないので、ある程度治療が落ち着いたら転院をしなければならなりません。
転院先の病院への容態や治療方針の引き継ぎ、転院後の連携といったことが患者にとっても、ものすごく重要なのです。
その点、この病院はカルテが全部電子化されていて、この患者の治療データはどんな科にまたがっていてもすべて内容が登録されて過去の病歴、治療歴、投薬歴まで全部すぐに解るようになっています。
この病院にかかる前のデータまで、それまでかかっていたのが連携しているお医者さんならすべて引き継ぎ・登録されてますし、連携してないお医者さんでも紹介状からわかる範囲は登録済み。
しかも日本語登録なので、画面をのぞけば私でも何が書いてあるか一目でわかります(笑)。
これは、すごいです。
うちのばあちゃんが脳梗塞でこの病院の救急外来に行ったときも、それ以前に撮った同じ部位のCTスキャン画像がパッと出てきて、そのおかげで普通なら見落としがちな梗塞の場所だったのですが、即座にわかって早期に治療できて後遺症がなくて済みました。
うちのばあちゃんが脳梗塞でこの病院の救急外来に行ったときも、それ以前に撮った同じ部位のCTスキャン画像がパッと出てきて、そのおかげで普通なら見落としがちな梗塞の場所だったのですが、即座にわかって早期に治療できて後遺症がなくて済みました。
さて、ロビーの真っ正面には壁面一杯にどーん!とナイチンゲール(?)とヒポクラテス(?)の絵がかかっていて、その前に階段の踊り場を広くとっているのですが、グランドピアノが置いてあったりして舞台にも使えるような感じになっています。
いつもはピアノから自動演奏が流れているんですが、ときどきその同じ場所でコンサート等のイベントが行われたりしているようです。
さて、この土曜日の入院当日にじいちゃんを病院に連れて行ったら、ちょうど「ハワイアン」のコンサートをやっていました。
いつもはがらんとして広いロビーに一面に折りたたみ椅子が並べられて、観客が集まっている様子がまるでどこかのイベントスペースとかコンサートホールっぽい感じです。
ただ、その観客は各病棟から出てきた患者さんとご家族、付き添いの看護師さんといった顔ぶれで、よくよく見ると部屋着やパジャマ姿だったり、点滴台をもっていたり車いすだったり・・・
舞台で「ハワイアン」を演奏したりフラダンスを踊っているのは、たぶん地元のサークルとかハワイアン教室の人たちなのでしょう、いずれも70歳代くらいの「おばあちゃんs」。
話題のスパリゾートハワイアンズのフラガールたちみたいにおへそを出すわけにはいかないし、なにより激しく腰を振ったりしてなんか踊れないし(^^;)
病院にふさわしく、ゆったりまったり(?)、プロのステージとはあまりにかけ離れた内容で、外から来たばかりの私たちにははっきりいって、お世辞にも面白いとか楽しいとは、思えませんでした・・・
でも病棟に行ってみると患者さんたちが「行ってみようかなぁ」「(病状が)病棟の外に出てもいいのかなぁ」「許可が出るかなぁ」と、そわそわしているのです。
病棟自体も自然光一杯で明るくて、普通の病院より居心地の良さそうな空間に作られています。
でも、結局は高度医療を必要とする病気やけが、痛みや苦しみとひたすら戦う無味乾燥な日々。
こんなささやかな催しでも、気持ちが晴れたり楽しみになったりするんだなぁ・・・
一見意味ないかもとか、かえって病院や患者さんにとってはメイワクなんじゃないか、と思っていた「病院慰問ボランティア」も、案外意味があるんじゃないか、と健康体な私は、改めて目からウロコがぽろっと落ちた気がしたのでした・・・。
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