2011年8月23日

大地の恵み

お盆に旅行に出かけてしまったので、遅ればせながらお墓参りに出かけることにしました。



そんなに遠くではなくて、同じ埼玉県内の北部にある加須という町です。

うどんと鯉のぼりが特産という小さな町でしたが、3.11以降、福島原発の件で被害を受けた双葉町の人たちが町ぐるみ非難していることでも知られるようになりました。


遠くではないといっても、私の住んでいる埼玉県西部とは違って、利根川沿いの平野部にある加須は埼玉県の米どころです。

ちょうど、訪れたときには、いつもながら1つの集落から隣の集落まで何kmもあるような田んぼの中に、稲が一面に揺れていました。









 
加須は、隣接している白岡町や久喜市とともに梨の産地でもあります。

お墓参りの後、親戚の家に立ち寄りました。


 

 この家は、うちみたいな「ぽっと出(?)」の家庭菜園ではなくて、先祖代々由緒正しき(笑)農業者サマで、今どき珍しく専業でお米と梨を生産・出荷しています。立ち寄ったときには、ちょうど梨の出荷の最盛期でした。

ここで、その日収穫して午後農協に出荷する梨と自分の家用に作っているブドウを少し分けてもらって、お茶をごちそうになりながら少し話をしました。

今年の梨は、ちょうど大きく育つ時期に雨があまり降らなかったので、思ったほど大きくならなかったそうです。







それでも、このつやつやと大きく育った梨!

これを大きさや傷などをみながら選別して箱詰めして出荷していくのです。
私から見ると充分美味しそうな梨がどんどんはじき出されていきます。

はじき出されたものも、小さかったり形が多少いびつなだけのものは、袋詰めして直売所に持っていきます。

そして、ここでも今年は原発の影響がありました。

今年の出荷前には、農政事務所の方がサンプルをいくつか実際に持っていって検査を行い、セシウム等が出ないですんだので、今年も無事出荷ができたという話でした。

お米もですが、農水省や県の農業試験場による検査がすむまでは出荷自粛なんだそうです。

検査が長引けば、それだけ出荷が遅くなる・・・相手は生ものですから、出荷時期がずれればそれだけ出荷に適した時期を逃して商品価値が下がってしまうわけです。

これで、セシウム等が検出されでもしたら、この美味しそうな梨もみんな廃棄処分になってしまうんですよね。1年かけてここまでにするのにずいぶん丹精しているのに・・・


 


私的には、相当高濃度の放射性物質が付着したり吸収されているのならともかく、「微量でも摂取し続けた場合の将来が不安だ」という話であれば、現在までに大量に散布されている農薬の方がよほど怖いと思うんですけどね。

なまじ中途半端な情報が流れているから、その情報をどう判断していいかわからない不安がいわゆる「風評被害」につながるのかな。

いや、今までは残留農薬だって必ずしも0だというわけではなかったけど、「国が定めた基準」以下なら絶対に安心安全だと国内外の消費者に信頼されていたからこそ、「日本の食」はその安全性をウリにできた訳なんですね。

それが、今や放射性物質の「基準値」自体が信頼されていないから、基準値以下であっても「○○産だから」というだけで敬遠されてしまう。

どうしたら、この日本の大地の恵みを安心して買ってもらえるようになるのかな・・・
考えさせられた加須行きでした。




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