2014年4月16日

胸アツな書状をたっぷり堪能☆ 茨城県立歴史館テーマ展



所用にて水戸に行きました。

水戸駅前にはちゃんとご老公サマがおいでになります。

水戸駅からすぐの高台には水戸徳川家の居城だった水戸城の遺構もあちらこちらに残っています。

が、今回は所用の関係もあってそちらには行かなかったので、水戸城に関してはこちらの過去ログでご紹介するとして・・・

(控えおろう~☆ 水戸城ご登城)
http://natchdes3.blogspot.jp/2013/03/blog-post_8.html


この時期、ちょうど水戸の偕楽園の近くにある茨城県立歴史館で「戦国から江戸へ ~大名水野家3代~」というテーマ展をやっているというので、空いた時間を使って行ってみることにしました。

いや、ホントのことをいうと、当初はまったく行く気はなかったんです。

が、行こうと思っていた徳川ミュージアムがずっと休館だったので、他に行けそうなところはないかと調べてみたらこの歴史館の中に一ツ橋徳川家記念室というのがあって、ちょうど5/6まで武具・刀剣の展示をやってるとのこと。

じゃ、行ってみるかな~☆と軽い気持ちで行ったら、テーマ展をやってた、ラッキーというわけです。


行ってみると、結構広い敷地の中に昔の小学校の校舎(なかなかオシャレ!)が建築展示されてたり、六地蔵が浮き彫りされた古い灯篭が展示されてたり・・・





さて、その「戦国から江戸へ ~大名水野家3代~」というテーマ展示、入口に立て札があるでもない、地味~な展示。

中はお決まりのとおり「撮影はご遠慮ください」なので、とりあえず写真はパンフレットのみでご紹介。




展示室に入ると、まず真正面にどーん!と福山城に伝わる水野家の甲冑がお出迎えしてくれます。

そう、この展示は「水野家3代」、徳川家康の生母於大の方の弟である水野忠重と、その子で福山10万石の藩主となった勝成、譜代大名として重きをなした孫の勝俊についての展示なのです~☆

でも、なんでこんな福山からめちゃ遠い茨城の水戸で展示・・・?

実は、茨城の結城藩水野家は福山藩主水野勝成の孫の水野勝長を祖としていて、福山藩の水野家が5代目の夭折により断絶した後、結城水野家が宗家として家名存続が許されたのだそうです。


まぁ、近いのか遠いのかよくわからないんですが、そういった縁で今回「水野家3代」について、関係の深い織田、豊臣、徳川家一門からの書状を中心とした展示となったのだとか・・・

なので・・・甲冑の次に目に入るのが、なんと織田信長天下布武ご朱印の文書~!

しかも、その内容が高天神城攻めに関わるもので、天正9年(1581年)1月25日信長が水野忠重あてに高天神城の処置について徳川家康に伝えるように命じたものです。

そしてその内容は・・・(以下、会場の展示解説より)

① 高天神城中から矢文で降伏の条件として、将士の助命を認めれば高天神・滝坂・小山の三城を渡すという申し出があった。


② 武田方は遠江を放棄して駿河・甲斐を厳守しようとする戦略であろうが、信長は一両年中に武田攻めを計画している。

③ それゆえ、降伏を認めないと当座苦労するであろうが、武田方に援軍を送る力はなく城は見殺しとなるであろう。

④ 家康や宿老中にも申し伝えて相談させるように。



うっわぁ~!生きた歴史が目の前に~!!!
いきなり、めっちゃめちゃ大興奮です!まさか、こんなところで・・・(泣)

水野忠重は、兄の信元とともに織田信長に属していましたが、兄との不和により徳川家康に仕え、兄が内通の嫌疑により信長に殺害されると、再び信長の臣に戻り、織田信忠の命により家康の高天神城攻めに目付か軍監として加わっているようです。

ちなみに忠重は、本能寺の変の後は織田信雄に属し、九州や小田原にて豊臣軍に参加、豊臣秀吉から豊臣の姓と従五位下和泉守を賜っています。

で、実はその豊臣姓と叙任の文書も展示されてました~!

また、関ヶ原の戦いの直前に忠重は西軍方に暗殺されてしまったので、家康の上杉景勝攻めに従軍して小山の陣中にいた勝成が急遽刈谷に戻って家督を継いだのですが、そのときに刈谷水野家の重臣たちにあてた家康の書状(家康が勝成の家督相続を承認してることを家臣たちに暗に示すもの)もばっちりありました!

そんなこんなで、かなりささやかな(?)展示にも関わらず、信長・秀吉・家康の花押も朱印も黒印の書状も・・・結構重要な文書が、それも写しじゃなくてホンモノがいっぱい並んでいるという、とってもディープな展示でした。。。

まったくもって期待せずに行ったもんで、よけいに感動しちゃったというか・・・

展示スペースとしては、ちょっと大き目の会議室程度の1部屋のみ。展示数もそれほど多くはありませんが、じっくり見て1時間は優にかかってしまう密度の濃さでした。

平成26年5月18日(日)までなので、ぜひ行ってみてご覧になってみればと思います。
(5月6日までは棟続きの一橋徳川家記念室で武具と刀剣の展示もやってますよ~☆)


茨城県立歴史館HP
http://www.rekishikan-ibk.jp/exhibition/tokugawa/